ブドウ畑が広がる温暖なワイン大国～巨大地下都市ワイナリーや豊富な自然遺産も
東欧にある「モルドバ」という国を知っていますか？
ウクライナとルーマニアに接しており、正式名称は「モルドバ共和国」。面積は日本の九州とほぼ同じという小さな国です。国土そのものは小規模なものの、温暖な気候や自然の魅力にあふれた環境に恵まれ、牧草地やブドウ畑が一面に広がっています。
古くからヨーロッパやアジア、アフリカを結ぶ軍事や交通、産業などの要所として、歴史的にも重要な役割を果たしてきました。異文化交流が盛んだった証として、多種多様な歴史的・考古学的な遺跡が残されています。ユネスコ世界遺産などの見どころも多く、中世に建てられた要塞や修道院など歴史を感じさせる観光スポットが多く見られます。
あるがままの壮麗な自然も見どころで、自然遺産を代表する景観保護区の「オールド・オルヘイ」をはじめ、丘や平野、湖、川、崖、渓谷、森林など多くの自然を楽しむことができます。肥沃な土地に根を張った広々と見渡す限りのブドウ畑は、「ワイン大国」といわれるモルドバを象徴する眺めといえます。
欧州ワインの発祥地とされるモルドバでは年間2億リットルものモルドバワインが生産されるうえ、多くの人たちがさらに自家製ワインを作って楽しむなど、ワインが暮らしの中に溶け込んでいます。ギネスブックに登録された「ミレスチ・ミーチ」ワイナリーや、巨大な地下都市を形成する「クリコバ」ワイナリーなどをはじめ、多くの有名なワイナリーがあります。こういったワイナリーは見学も可能で、モルドバの主要な観光産業として確立されています。
モルドバの料理は、自家栽培のオーガニック食材を使った素朴で健康的な家庭料理が中心。国は南部・中央部・北部の地域に分かれさまざまな民族が住んでいますが、どの地域にもそれぞれ食文化があり、伝統料理が引き継がれています。共通するのは、どの料理もワインにとても合うということです。
人口が約268万人とこじんまりしたモルドバは、昔から“素朴でおもてなしの心を持つ人たちの国”といわれてきました。観光などで地方を訪れるとゲストは温かく歓迎され、自家製の自然食材で調理した家庭料理でもてなしてもらえます。また、伝統を大切に守るという国民性が特徴で、この点は日本人と共通しているといえそうです。モルドバではたとえ裕福でなくても、祝祭日や家族の記念日などは必ず伝統通りに祝います。
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